訓練校作品の構想

平常通りと言っても、特にする仕事も無く、休み中に出来なかった実験をする事にしました。実験と言うのは、訓練校の作品です。
訓練校は今年も造形表具で、今年の本紙は「左馬(ひだりうま)」で、鏡文字の馬です。本紙を貰った時に調べたら、縁起物なんですね。それで考えたのが、本紙を将棋の駒の形にする*1事だったんですが、裂をどうするか、あまり考えてなかったんです。裂を継いだりするのも芸が無いし、今回は将棋の駒がメインなので、糸目の入った裂に刳り貫くだけにしようと考えてました。
ところが、時間があると、いろんな案が浮かんできますね。裂にフリーハンドで黒い線を引きたくなったんです。(将棋板の目ですね。(笑) ) 通常、裂に着色するのは、裏打前に礬砂(どうさ)を塗って、その上から描くのですが、訓練校で使う裂は、既に裏打が完了しています。そこで、裏打後の裂に描いても縮んで硬くならない染料を探す事にしました。
画材屋さんを何軒かうろうろして、見つけたのがアクリル系の水性絵の具で、Tシャツなどに絵を描くやつです。早速、家に帰って実験しました。滲み具合や、硬さなど、色々試して、なんとなく感じがつかめたので、今年の作品はこの絵の具で線を引きます!

*1:お客様から預った本紙の場合、いくら表装を任されたと言っても、本紙の形を勝手に変えるのは絶対にNGです。