ペットロス

ペットロスという言葉があります。ペットロス症候群という病名で知ってる人も居るかもしれませんが、ペットロスそのものは精神的な病気を意味するものではなく、愛する者を喪うという離別の体験を意味する言葉です。
ペットに限らず、人は生きて行く上で、愛する人たちや動物たちと、必ず別れを経験します。その別れの一つが死別であり、それが大きな苦*1である事は疑う余地は無いでしょう。その苦を現実の体験として受け止め*2、整理し*3、その体験を自分の心の糧にして苦しみから立ち直る*4には、時間もかかるでしょうし、人それぞれに方法も異なると思います。
現実の問題としてペットロスに苦しんでいる人たちはたくさんいます。でも「ペットロス症候群」という病名が一人歩きして、それを周囲に打ち明けられない人も多いのです。また打ち明けても、たかが動物が死んだくらいでオーバーなという心無い対応をされたという話も、本当に数え切れないほどあるようです。そんな風にペットロスで苦しんでいる人たちが、肉親を喪った人たちと同様に理解される日が早く来るように願って止みません。

*1:佛教ではこの苦を「愛別離苦」と言います。

*2:否定したり後悔したり憤りを覚えたりしますが、それでもその現実を見つめるところから始めなくてはなりません。

*3:忘れようとするのではなく、悲しみをこらえるのではなく、事実をありのままに受け入れる事が大切です。

*4:僕の場合は、上手くは言えませんが、別れの元になった出会いに感謝できるようになりました。