インダバ(1日目)

日本ボーイスカウト兵庫連盟 平成19年度「インダバ(指導者のつどい)」に参加してきました。

「インダバ (indaba)」というのは、アフリカのズール族の言葉で、部族代表(酋長)等による最高会議のこと。ボーイスカウト創始者であるベーデン-パウエル卿が、ボーイスカウトの指導者の集まりを「インダバ」と呼ぶように決めたので、ボーイスカウト用語として世界中に広がったのですが、意外にも、世界大会は過去に3回しか開催されていません。(それよりも、南アフリカ共和国で開催される様々な分野の国際会議に「〜インダバ」とつくものが多いので、そっちの方が有名かもしれないですね。)

兵庫連盟では、毎年6月に指導者を対象とした1泊2日の研修(定型外訓練)を行っており、それを「インダバ(指導者のつどい)」と呼んでいます*1。以前はフォーラム形式で行われていたのですが、ここ数回は体験型の研修になりました。今回も参加者を6班に分け、ブラウンシー島の実験キャンプをモデルにしたプログラムが展開されました。

会場へ

集合は13時だったのですが、10時から地区コミッショナーと地区トレーニングチーム・ディレクターの合同会議があったので、朝8時に家を出て、養父市八鹿町にある「兵庫県立但馬長寿の郷」に向かいました。宝塚からだと、中国自動車道舞鶴自動車道・北近畿豊岡自動車道を乗り継いで和田山まで行けるので、約2時間で走れるのです。しかも、北近畿豊岡自動車道新直轄方式で建設された道路なので、途中の遠阪トンネルを除き通行料は無料。ありがとう小泉さん(誰?)。

会議

会議の様子

来年度からの指導者訓練体系について、口頭で説明があったけど、やはりかなり変更があるようです。詳細は、後日、日本連盟から正式に発表があります。我々、地区のトレーニングチームが直接かかわるのは「ボーイスカウト指導者講習会」ですが、来年度に向けて、本格的に勉強せねばと思いました。

開会式そして肩透かし

開会式

12時半から受付が始まり、13時過ぎに開会式が始まりました。その中で、ウッドバッジ実修所の修了証とウッドバッジ(2ビーズ)、ギルウェル・スカーフがもらえるはずだったのに、県連盟コミッショナーの話によると届いていないとのこと。なんでも、先週の全国大会の残務処理で日本連盟事務局がバタバタしていて、発送するのを忘れてが遅れたそうな。とりあえず、県連盟コミッショナー宛に発送したので、週明けには届くから、地区コミッショナー経由で適当に渡してくれとか言ってるらしいんですよ。酷い!一生に一度の事なのに!!! (T_T)

結局、本日、修了証をもらう予定だった5名は、奉仕実績訓練報告書を返してもらっただけで、修了証とウッドバッジ(2ビーズ)ギルウェル・スカーフの伝達は各地区で行うことになりました。宝塚地区は来週10日の予定です。

Back to The B-P. ブラウンシー島の興奮を呼び戻そう

講義の様子

今回の研修について簡単な説明があった後、研修のテーマである「ブラウンシー島の実験キャンプ」について説明(講義)がありました。

ブラウンシー島というのは、イギリス(イングランド)南西部のドーセット州にある、イギリス海峡に面したプール湾に浮かぶ島で、今から100年前の8月に、ボーイスカウト運動の創始者ベーデン-パウエル卿が、20名*2の少年を集めて実験キャンプを行った所です。

今回のインダバは、この実験キャンプを疑似体験するために、様々なプログラムが用意されているとのこと。まず、手始めに、実際の実験キャンプの募集要項(?)にもあった「本結び」「一重つぎ」「巻き結び」ができるか確認するところからスタートです。その後、できた人から参加を認められ、島(何処?)に渡ることを許されました。

オリエンテーション

島(だから何処?)で班分けが行われ、班名・班編成(役務分担)・班旗・班呼・班のモットーなどを決めました。僕は班分けでは動物グループの第5班(仮)に入りました。その後の班集会で、班名は「ヤギ」、班呼は「班長:『ヤギさーん』班員:『メー、メー』」、班のモットーは「目指せ!偉大なる凡人!!」に決まり、僕の役務は「レクリエーション係」になりました。

班集会の後、規律と秩序に関する説明があり、いよいよプログラムがスタートです。

1日目のプログラム

3番ゲーム

兵庫連盟のインダバと言えば、ルールは簡単「3番ゲーム!」(イェイ)。これは、実験キャンプには全く関係ないですが、恒例行事なので外せません。(笑)

3番ゲームとは…

参加者が輪になり右回りで一人ずつ数字を順番にコール。
ただし3のつく数字あるいは3の倍数をコールする順番に当たった人は、コールの代わりに手をたたく。

[手をたたく例]
3の付く数字 3,13,23,30,31,32…
3の倍数   3,6,9,12,15,18…

間違えたら輪から抜けていき、最後まで残ると班のポイントになる、という簡単なゲーム。

まあ、ルールはいたって簡単なんだけど、やってみると意外に難しい。最初の難関は 11〜16 で、その次が 20〜25 なんだけど、圧巻は 29〜40 です。お試しあれ。

What is it? (これは何だろう)
植物観察ゲーム

これは「スカウティング・フォア・ボーイズ」の「キャンプファイア物語 16」に出てくる植物観察ゲームをアレンジしたものです。

A地点からB地点へ向かうコース上の10種類の木に、リーダーがあらかじめ10種類のロープ結びを決めて、ぶら下げておきます。班毎にまとまって出発し、そのロープ結び(What is it?)を見つけ、その結びの名前と、それがぶら下がっていた木の名前を記入し、その木の落葉を拾うゲームです。

うちの班は、9つしか見つけられず、また最後に出発したので、現場が踏み荒らされていて落ち葉も7種類しか集められませんでしたが、工夫次第ではいろいろとアレンジできる良いゲームだと思いました。これを100年近く前からやってるとは、ボーイスカウト恐るべし。

華麗なる夕食会「6倍カレー」
モロッコ風(?)カレー
モロッコ王国(ヤギ班)
カナダ(こうのとり班)
コンゴ民主共和国(オオカミ班)
インドネシア共和国(ひばり班)

またもや、ベタなネーミングで、誰が考えたのかバレバレな訳ですが、夕食は自炊です。メニューはもちろんキャンプの定番料理「カレー」。実験キャンプのメニューに「カレー」があったかどうかは別として、問題は「6倍」の方です。

実は、今回のインダバのもう一つのテーマとして、「21st World Scout Jamboree」があります。6個の班がそれぞれ、アジア・太平洋地域(Asia-Pacific Scout Region)、ユーラシア地域(Eurasia Scout Region)、アフリカ地域(African Scout Region)、ヨーロッパ地域(European Scout Region)、中近東(アラブ)地域(Arab Scout Region)、インターアメリカ地域(Interamerican Scout Region)の中の一つの国からの世界ジャンボリー(21WSJ)派遣隊になり、渡された資料を基に、その国のスカウトになるというもの。実際はアジア・太平洋地域の「ツバル」と「インドネシア共和国」、アフリカ地域の「コンゴ民主共和国」、ヨーロッパ地域の「サン・マリノ共和国」、アラブ地域の「モロッコ王国」、インターアメリカ地域の「カナダ」の6カ国だったので、ユーラシア地域の国は無かったけれど……。

で、その6カ国それぞれをイメージしてカレーを作り、6種類のカレーの中で一番美味しく、またその国のイメージにピッタリなカレーを選ぶコンテストをしようと言うのです。それが「6倍カレー」の「6倍」たる所以。なんだか、わかったような、わからないような……。(笑)

まあ、とにかく、うちの班は「モロッコ王国」になったので、モロッコ風のカレーを考える事になった訳です。と言っても、モロッコには誰も行ったことないですし、知ってることといえば、アフリカの左上の方にあってジブラルタル海峡を挟んでスペインと向き合ってる地中海の入口の国だとか、サハラ砂漠の端っこにあるイスラム教国、映画「カサブランカ」とカルーセル麻紀が性転換した国で有名だとか、人口比率はアラブ系の人が2/3、ベルベル人が1/3、イスラム教国だから公用語アラビア語だけど、フランス語の方が通用するってことくらい。とにかく、カレーに豚肉を使うのは止めようということだけはすぐに決まりました。(ぉぃ)

もらった資料や携帯電話を使って色々調べると、アトラス山脈を挟んで地中海性気候と砂漠気候に分かれているらしく、オリーブの生産量は世界第6位だそうです。その他、日本はモロッコからタコを輸入してることも知りました。タコは使えないけどオリーブ(オリーブオイル)はカレーに使えそうです。でも、これ以上は考えてても仕方ないので、カレー作りはコック長(誰?)に任せることにしました

もう一つ問題なのは、どうやってサービスするかです。と、そこで、急にみんなの視線が僕に集まりました。そうです、僕は先週の「明石原人まつり」の名残で、まだ原人さんだったのです。ということで、宝塚原人は今日からアラブ人になりました。思わぬところでこのヒゲが役立ちましたよ。(笑)

夕食の様子や、偽アラブ人の写真は、県連のサイトにもアップされています。よかったら見て下さいね。

Deer Stalking (シカへの忍び寄り)

夕食の後は暗闇の中での「Deer Stalking」です。これは「スカウティング・フォア・ボーイズ」の「キャンプファイア物語 14」に出てくるゲームをアレンジしたもので、藪の中に懐中電灯を持って立つシカ役のリーダーに、ハンターが気付かれないように近づくというもの。忍び寄るハンターはシカの持つ懐中電灯の明かりを目印に、シカ役のリーダーは物音を頼りに懐中電灯を照らして忍び寄るハンターを探します。懐中電灯に照らされればハンターの負け、見つからずにシカに触れればハンターの勝ちなのですが、触れられなくても、一定時間が経過して終了した時点で、一番近くにいたハンターから順番に点数がもらえます。

このゲームもかなり盛り上がるので、やったことのないリーダーさんはお試しあれ。

懇親会

インダバのもう一つの楽しみと言えば懇親会。普段はなかなか集まることのない県内の指導者のみなさんと、人的ネットワークを構築するチャンスです。ここでできたつながりが、今後のスカウト活動の幅を広げると言っても過言ではないくらい。今回も新しい仲間ができました。今日の出会いに感謝です。

こうして、インダバ1日目のプログラムが全て終了しました。でも、プログラムは2日目もまだまだ続きますよ。

ってな具合に、漸く1日目を書き終えたわけですが、まさかここまで大作になるとは予想していませんでした。これに見合う分量で2日目を書くかと思うと気が遠くなりそうですが、この続きはまた後日あらためて。(u_u)

*1:秋に「インダバだ」という1日の研修を行っていた年もあります。名称がアレなのは、担当コミッショナーS氏の趣味?(笑)

*2:招待されたのは21名だったのですが、その中の1名が体調不良でキャンプに参加せずに帰ったため、20名になりました。