訓練校2日目

今日は「兵庫県表装技能訓練校」の講習2日目です。8月9日に引き続き、早起きして姫路まで行ってきました。
今日の工程は「付け廻し(つけまわし)」と「総裏(そううら)」です。
始まってすぐに、8月19日に購入した絵の具を出して、線を引く準備を始めました。絵の具が出来たので、前回、裏打の終わっている(きれ)仮張り(かりばり)から外し、レイアウトを考えて、一気に線を引きました。極太の筆が用意できなかったから、意図していた線よりも細くなっちゃったけど、裂の継ぎ合わせでは表現できない「かすれ」が出せたので、そこそこ満足な出来です。
乾かしている間に絵の具などはさっさと片付けて、糊と、付け廻しに使う「(かすがい)」を作ることにしました。絵の具を片付けてたら、先生に絵の具を出したから、どんな絵を描くのかと思ったら、線だけかと笑われたけど、絵心の無い僕には、線だけで精一杯です。(笑)
絵の具が乾いたので、本紙を貼り込む場所を考えて裂に重ねて、用意した将棋の駒型の型紙に沿って刳り貫きました。切れの切り口に糊止をしたら、裂を裏向きに置き、刳り貫いたところに糊を塗って、(かすがい)を貼り付けます。裂を表に向けたら、本紙のまわりに糊をつけ、刳り貫いたところに合わせて貼り付けます。ちょっと乾かしてから、幅を決めて耳折(みみおり)をします*1。耳折をしたら、軸袋、八双袋、上巻の寸法を測り、印を付けて、ちょうどお昼になりました。
昼食後は、総裏を打つだけなので、暫く、他の人の作業を見学しました。造形表具だから、同じ本紙なのに、誰一人、同じ物を作っていません。これが楽しいんですね。いろいろ勉強になりました。他の人の作品も表装美術展で見る事が出来ますので是非お越し下さい。(u_u)
いよいよ総裏です。今回は仕上がり寸法が小さいので、競技大会出品作品とは違い勿体無くないから*2贅沢にも本宇陀を使いました。 また、時間もたっぷりあったので、上巻も、自分で裏打したものを使いました。
まず、宇陀を喰裂(くいさき)にします*3。紙取りが出来たら、軸袋と八双袋を薄糊で糊止めして、濃い糊で耳糊をつけたら、上巻から順番に打って行きます。裏打が終わったら、仮張りに張り込んで今日の作業はおしまい。
と思ったら、軸助をつけるのを忘れていました。(笑) 慌てて作って、仮張りに掛けている上から貼り付けました。(これって、よくやっちゃうんです)
道具も片付けて、余った時間は作業の見学に充てました。今回は付け廻しが楽(手抜きではない)だったから、時間が余り、いろいろと見学出来て良かったです。次回(9月6日)はいよいよ最終回。はたしてどうなるやら。(笑)

*1:細かい工程は 8月17日の日記を参考にどうぞ。

*2:セコい?

*3:上巻にかかる1枚目は、喰裂の毛羽を半分くらい切り落とします