増裏打

昨日、裂の肌裏打をしたので、今日は本紙と裂に増裏を打ちます。例によって詳細な作業手順は4年前の日記(Part2)を見て頂くとして、ちょこっとだけ補足をしておきますね。
4年前よりも腕は上がってるので、美栖の薄口や極薄の扱いもそれなりに上手くなりましたが、やはりどうしても必要な場合を除いては使いたくないというのは変わっていません。(弱気) ただ、今回はどうしても必要だったので薄口の美栖を使いました。
あと、増裏の工程で迎え水を打つ事があると書いていますが、それは正麩糊を使って裏打の乾燥に数週間かけるような場合だけで、化学糊を使い短期間で仕上る時はほぼ全て乾打(からうち)です。今回は化学糊を使っているので乾打にしました。
そしてもう一点、増裏の時の仮張りは本紙も裂も表掛けにする事が多いです。それは、本紙は肌裏の時と同じ理由なのですが、裂の場合、柄物で中廻しの柱のように長い裂は、仮張りに張り込む時に柄が真っ直ぐに通っていないと仕上がりが悪くなります。もちろん、肌裏を打つ時に柄は通してあるのですが、増裏を打って張り込む時に歪むと修正が効かなくなるので、微妙なずれをここで修正する為にあえて表掛けにするのです*1。今回は特にずれると格好悪いので、全て表掛けにしました。ただ、表掛けにすると、裏掛けした時に比べて乾燥に若干時間がかかるのと、何かに擦れて裂に傷が付く虞があるので扱いに注意が必要になります。
増裏を打ったので次は付け廻し*2ですが、今回の掛軸は細長いので、しっかり乾燥させるために次の作業は週明け4日(月曜日)からの予定です。

*1:ただし、このあたりの細かい事はお店によって違うかも知れません。

*2:ストーカーじゃないよ。(笑)