第35回 表装美術展(最終日)

昨日(26日)から神戸の県民会館で開催されている「第35回 表装美術展」に行ってきました。
この「表装美術展」は、うちの店が加盟している兵庫県表具内装組合連合会が主催して、毎年9月下旬から10月上旬にかけての2日間、神戸の兵庫県民会館2階「県民アートギャラリー」で開催される表具表装作品*1の展覧会で、併催される青年技能者技能競技大会と兵庫県表装技能訓練校作品展と合わせて毎年百点以上の作品が出品されます。うちの店からも今年は6点*2の掛軸を出品しました。
昼過ぎに会場に着き、一通り作品を観た後、搬入の日の日記にも書いた通り、今年の競技大会に出品した掛軸が「兵庫県職業能力開発協会賞」に入賞したので、第33回青年技能者技能競技大会の表彰式と平成18年度表装技能訓練校の修了証書授与式に出席しました。初めて最前列に座った*3のでちょっと緊張しましたよ。
表彰式も無事に終わり、表展会場に戻って例年のように全作品の記録写真を撮りました。記録写真を撮影とはいえ、一般のお客さん(組合員を含む)に対しては写真撮影を禁止しているので堂々と機材を広げて撮るわけにもいかず、作品観賞の邪魔にならないように空いている所を探してウロウロしながらの撮影で、全作品(120点弱)を撮り終えるのに2時間もかかってしまいました。以下にうちの店から出品した6作品を写真を添えて御紹介しますね。(せっかく全作品を撮ったのですが、個々の作品の掲載には各制作者の了承を頂かなくてはならないので、残念ながらうちの店から出品した作品しか御紹介できません。)

第35回 表装美術展 特別出品作品

第35回 表装美術展 特別出品作品
作品概要作品写真
分類軸装(本袋表具)阪上善秀宝塚市長 書 「親に勝る神は無し」
筆者宝塚市阪上善秀
図題書「親に勝る神は無し」
制作者宏精堂 家門表具店 家門潔

第35回表装美術展開催にあたり、宝塚市阪上善秀氏 に書いて頂いた座右の銘「親に勝る神は無し」を本袋表具に仕立てました。

第35回 表装美術展 出品作品

第35回 表装美術展 出品作品 (作品番号:9)
作品概要作品写真
分類軸装(幢褙表具 行の行)狩野探船 画 「猩猩」
筆者狩野探船
図題画「猩猩
制作者宏精堂 家門表具店 家門潔

保存状態が悪く、本紙(絹本)には虫食い穴が開き、軸先と柱をネズミに齧られたボロボロの掛軸を修復して仕立て直した作品です。

第35回 表装美術展 出品作品 (作品番号:10)
作品概要作品写真
分類軸装(本袋表具 一文字廻し)冨喬 画 「美人画」
筆者冨喬
図題画「美人画
制作者宏精堂 家門表具店 家門潔

濃い色の一文字を廻す事で本紙をギュッと引き締めています。

第35回 表装美術展 出品作品 (作品番号:11)
作品概要写真作品
分類軸装(裱褙佛表具 真の真)作者不詳 「チベット曼荼羅」
筆者作者不詳*4
図題画「チベット曼荼羅
制作者宏精堂 家門表具店 家門潔

インドのブッダガヤでチベットのお坊さんから買った曼荼羅*5をばらして佛表具(真の真)に仕立て直しました。軸先の透かしが赤いのはうちの店のオリジナルです。

第33回 青年技能者技能競技大会 出品作品

第33回 青年技能者技能競技大会 出品作品
(兵庫県職業能力開発協会賞受賞作品)
作品概要作品写真
分類軸装(幢褙茶掛け 行の行)魚住卿山 書 「鞭聲粛々夜渡河」
筆者魚住卿山
図題書「鞭聲粛々夜渡河」
制作者宏精堂 家門表具店 家門秀行

8月17日の日記から制作意図や作業工程を写真付で紹介してきた掛軸です。「兵庫県職業能力開発協会賞」を頂きました。

平成18年度 兵庫県表装技能訓練校作品展 出品作品

平成18年度 兵庫県表装技能訓練校作品展 出品作品
作品概要作品写真
分類軸装(裱褙佛表具 真の行)井原明子 画 「観世音菩薩」
筆者井原明子
図題佛画「観世音菩薩」
制作者宏精堂 家門表具店 家門秀行

兵庫県表装技能訓練校の本年度短期課程普通職業訓練の課題作品(佛表具)です。

以上が、うちの店から出品した作品でした。
御来場頂きました皆さん、本当に有難う御座いました。来年度も開催のご案内をこの日記などでする予定ですので、是非とも会場へお運び下さい。

*1:掛軸・額・巻物・折り本・屏風・襖・衝立など

*2:内訳は表装美術展に4点、青年技能者技能競技大会に1点、表装技能訓練校作品展に1点です。

*3:昨年の「努力賞」は2列目でした。

*4:チベット語の署名はあります。

*5:壁に掛けて佛壇のように拝む為の加工がしてありました。