訓練校 初日

今年も訓練校の季節がやってきました。訓練校の正式名称は「兵庫県表装技能訓練校」で、職業能力開発促進法の規定による短期課程普通職業訓練*1を行う所です*2。ちなみに、兵庫県の訓練校の入校資格は兵庫県表具内装組合連合会所属の表具師及びその子弟若しくは従業員に限られています。大阪の訓練校*3は普通課程普通職業訓練*4を行っています。その他、訓練校は各県に1校ずつくらいは在ると思うのですが、入校の資格等は各訓練校により違うと思うので、興味のある人は調べてみて下さい。
で、今日は全3回のうちの1回目。早起きして姫路まで行ってきました。テーマは「掛軸表装の基本技とその展開」で、今年も造形(創作)表具です。本紙は昨年の葉書とは違って半紙に書いた「左馬」です。事前に本紙を送って来るので、デザインを考え、必要な材料を揃えて行かなければなりません*5。今日は造形表具についての説明と、裂と本紙の肌裏と増裏打ちでした。
「そう言えば、以前、1級表装技能士職業訓練指導員免許を取ったって言ってたのに、なぜ訓練校に通っているの?」と思っているあなた。理由は簡単です。まだまだ勉強する事が多いんですよ。こんな機会がないと、できない事もたくさん在って、職人の世界は、一生、勉強が続くんです。それに楽しいから、もう来るなと言われるまでは行こうと思っています。

*1:兵庫県では3日間の短期講習のみを行っています。

*2:修了すると県知事から修了証書がもらえます。

*3:大阪府表具高等職業訓練校:入校資格は大阪府下にある表具関係の事業所に就職している事

*4:期間は2年間です。

*5:だから、兵庫県の訓練校は、ある程度の技能を持っている人が対象で、一般の人の受け入れが出来ないのです。